- あたり
- I
あたり【当(た)り・中り】※一※ (名)(1)あたること。 命中。⇔ はずれ(2)あたること。 ぶつかること。
「立ち合いの~が強い」
(3)成功すること。 物事がうまくいくこと。「今度の芝居は大~だ」
(4)人に接する態度。 応対。 扱い。「~の柔らかい人」
(5)見当。 手がかり。「犯人の~をつける」
(6)野球で, 打撃。 また, 打撃の好不調。「三・四番に~が出る」「鋭い~」
(7)釣りで, 魚がえさをつつくこと。 また, それが浮きや竿先や手に伝わる感触。 魚信。「今日は全然~がない」
(8)囲碁で, あと一手で石が取られる形になること。「~をかける」
(9)くじなどに当たること。⇔ はずれ(10)飲食物や暑さなどによって, 健康が害されること。 多く他の語と複合して用いられる。「暑気~」「食~」
(11)果物などの傷や腐ったところ。「~のある桃/滑稽本・浮世風呂 4」
(12)しかえし。 復讐(フクシユウ)。「さきに行綱に謀られたる~とぞいひける/宇治拾遺 5」
※二※ (接尾)「一」または単位を表す語に付いて, 「…につき」「…に対して」の意を表す。「一人~三枚ずつ配る」「一日~の生産高」「キロ~八〇〇円」
~を付・ける見当を付ける。~を取・る(1)芝居・商売などが好評を得て, 成功する。 あたる。(2)見当を付ける。 当たりを付ける。II「お熊が亭主といふことは~・つて置いたのだ/歌舞伎・網模様」
あたり【辺り】〔「当たり」と同源か〕ある物や場所・時間などを基準として, それに近い範囲。 接尾語的にも用いる。(1)付近。 近所。 近く。 一帯。 周囲。「この~は静かだ」「本郷~に下宿する」「~を見まわす」「~近所」
(2)時間・程度などの大体を示す。 ころ。 時分。 ぐらい。「来週~, もう一度会おう」「彼~が適任だよ」「この~で妥協しよう」
(3)婉曲(エンキヨク)に人や家をさす語。「母女御もいと重く心にくく物し給ふ~にて/源氏(匂宮)」
~構わず辺りをはばからず。 所構わず。「~わめき散らす」
~を払・う威勢があって, 他のものを身辺に寄せつけない。「威風~・う」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.